古い家から持ってきた部材を転用するのは、新しい材料を使って作るよりも手間がかかる。大きさも揃っていないし、長い年月の中で変形してしまっているものがほとんど。でも、時間が経った材料の風合いを、新しいものから醸し出すことはできない。
手間を取るか、時間を取るか…。限られた予算と工期の中で駆け引きをしながら、『この材料はここに使おう…』とか、『こういう風に作ればいいんじゃない…』とか、現場の判断でみんなで作り上げていくのは本当に楽しい。現場で判断するのりしろが、少なければ少ないほどリスクは減るのかもしれないけど、実際に作っていく過程でもっといいアイデアが浮かぶのは当り前。料理を作る時のように、材料を見て触れて、それから加工して足りないものを付け足して…。これが現場ライブの醍醐味。