今進めているプロジェクトで使おうとしている、廃スノーボード。
スノーボードは、滑走面・芯材となる木・グラフィックの層・コーティング層というふうに幾層にもサンドイッチされていて、さらにそれらマテリアルがバラバラなので再利用や廃棄が非常に難しい。
一方で、メーカーにB品やクレームで戻ってくるボードが毎シーズンけっこうな本数になるらしく、彼らも廃棄に頭を悩ませている。
昔、メーカーにいる友達からいい二次使用のアイデアがないか相談を受けたこともあった。
当時は、ゴミになってしまうからという理由だけで、わざわざ普通の材料よりも手間と加工費を掛けてまで何かものを作るというのに魅力を感じず、提案できずじまいだった。わざわざ使うからには、理由がなければらない。
そして月日は流れ、この物件でようやく、廃ボードを使う意味のある提案が出来そうだ。
まずは工房で、材料としての特性、加工手間なんかを確かめるために、実際に切断加工をしてみた。
厄介なのは、外周を回っているエッジ、ノコギリで切ると摩擦熱で発生する有毒ガス、飛び散る繊維…。
眼鏡とマスクはマストだな。それでも、材料としては何とか使えそうだ。
実際に切ってみると、芯材に使われている木のパターンが、箇所個所によって違っていることが分かる。
雪上で板をコントロールし、自由に動き回るためのテクノロジー。
テクノロジーが詰まった材料を、僕らはかなりローテクで料理する。
まだまだ詰めなきゃならないことはあるけど、今から完成が楽しみだ。