GWを利用して、ニュージーランド/オーストラリア旅行に出掛けてきました。
持帰ったレコードの1曲から知ることになった素敵な話を、久しぶりに投稿します。
オーストラリア、ニュージーランドの街には、必ずといっていいほどopportunity shop=オップショップがあります。街のサイズにもよるけれど、中規模であれば数店鋪もあったりします。オップショップは、不要になったものを人々から寄付という形で集めて、そしてそれらを安価(1〜5ドルくらい)に販売することで、そこであげた収益を寄付に還元するという、慈善団体が運営するリサイクル・ショップ。
激安でかつ掘り出し物があって、そして人々のリアルな生活を、実際に使われたものを通して垣間見ることができるので、僕は面白くてよく行きます。現地の人にはもちろんお馴染みで、オップ・ショップを巡って掘り出し物をひたすら探す、OP shoppingという言葉があるくらいです。
僕は、OPショップでは必ずレコードを掘ります。NZでは一枚1ドル以下、AUGでは1〜5ドル。試聴はできません。レコードはどこのお店でもだいたいブックコーナーの奥に一箱くらいはあって、お決まりのクラシックを中心にあくまでもホームユースな盤面が並びます。今回は、良さそうなポリネシアン・ミュージック(おそらくお決まりな感じなんだとは思う。)のコンピを数枚入手しました。
その中の一枚に入っていたお気に入りの1曲が、ブログタイトルの『pokarekare ana』。
マオリの甘い歌声にしみじみ聞き入りながら、この曲のタイトルや歌詞の意味はなんて思いながらググっていたら、検索で出てきた衝撃の映像がこれ。
1993年、ニュージーランドではアジアオセアニア地域で初めて同性愛の結婚が認めれたそうです。この映像は、その法案が可決された時の国会中継。法案の可決が決まった瞬間、会場から歓声や拍手が沸き起こります。議員たちは立ち上がり、この素晴らしい法案が可決されてよかったと、お互いを称え抱き合っています。
そしてそのまま傍聴人たちも煽りながら、誰ともなくマオリ語のラブソング「pokarekare ana」を歌い始めるのです。ニュージーランドの土着民、マウイのラブソングを。やがてそれは大合唱となり、議会は止まぬ大歓声に包まれます。
映画の1シーンみたいだけど、実際の議会。
なんて素晴らしく、なんとまともなことなんだろうと、僕は心を強く打たれました。でも同時に、某大臣が男女平等に対して理解を示すどころか暴言を吐きまくってしまっている日本と比べ、このような人達が国会議員をしている国はさぞかしまともなんだろうなぁ…と、自国に情けなさを感じずにはいられませんでした。
歌は、別の部族の王女との結婚を親族から反対され離れ離れに引き離されたマオリの王子が、王女のいる島まで一晩かけて泳いで渡りきりめでたく結ばれるという、とてもロマンチックな民謡からきています。
離ればなれになってしまった王子によせる、甘い歌詞の内容はこちらをチェックしてみてください。
このような機会まで与えてくれるopportunity shop、街で見掛けたら必ず入ることにしましょう。